このように補完・代替医療が注目されてきた背景には、今までの治療方法である西洋医学を、補完・代替医療で補うことができることがあげられます。原因が明らかになっていない慢性的な疾患や、ストレスなどの精神的な要素が関連する疾患などでは、補完・代替医療が利用されています。
西洋医学は、感染症をはじめとする多くの病気を治すことが可能です。ただ、病気そのものを見て、異常のある臓器、器官に焦点をあてて、全体がみえなくなってしまう場合があります。人間を機械的にみて、臓器を部品に見立てて、その部品を治すような治療になります。
一方、補完・代替医療は人間全体を診て、人間の根底にある自然治癒力を引き出しながら、じっくり時間をかけて治療していくという考え方が基本になっています。
実際の病気では、がんや肝臓の病気のように何10年もかかって引き起こされるものがたくさんあります。それだけの時間がかかって起こった病気を、西洋医学ではごく短期間で治そうしますが、時間をかけてじっくり治すほうが理にかなった方法だと考えられます。
また、一般の方にとっても、インターネット等を利用した情報収集が可能になり、今まで知る事ができなかった補完・代替医療について調べられることができるようになったことも、補完・代替医療が注目される大きな要因と言えるでしょう。最近では、「セカンドオピニオン」として、主治医だけでなく、他の医師の意見を聞くことができる体制ができてきたこともあり、患者様がご自身で治療方法を選択できるようになってきています。
その他、医療費の高騰により国家経済に影響がでるようになってきていることから、予防医学として補完・代替医療を利用することが考えられています。
今後、補完・代替医療はますます注目されてくることでしょう。
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