「ハイパーサーミア(hyperthermia)」は、がん細胞を障害させる以外に、次のような作用が確認されています。
1、免疫活性
患部に熱を加える事で、患部やその付近が、39℃〜41℃になりますと免疫(NK細胞、インターフェロン-γ,マクロファージ等)が著明に活性化し、がん組織を障害させることが期待されています。
2、QOL(生活の質)の向上
がん治療の多くは副作用が伴いますが、「ハイパーサーミア」は、そのような副作用がほとんどありません。治療を進めると疼痛の緩和、食欲増進、体力の回復、気分が良くなるなど、療養中の生活の質の向上も大きく得られます。
3、抗がん剤の効果向上、副作用の軽減
「ハイパーサーミア」で患部に熱を加える事で、患部やその付近が39℃〜41℃になると、がん組織へ薬剤の取り込みが増えると考えられています。
抗がん剤等の薬剤と「ハイパーサーミア」を併用することにより、がん組織へ抗がん剤等の取り込みが通常の数倍多くなり、薬剤効果を一段と高め、また、薬剤の投与量が少なくできる事によって、、副作用の軽減ができると考えられています。
4、放射線治療の効果向上
「ハイパーサーミア」と放射線を併用することにより、放射線の効果をさらに高めると考えられています。
また、黒色腫など放射線抵抗性のがんに有効なことも実証されています。
5、健康保険の適応
「ハイパーサーミア」は、がん治療と長管骨骨折治療の場合に限り、健康保険適応の対象となります。
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