妊娠中の鉄サプリメントの摂取は、貧血のリスクを低減させ、出生体重の増加と低出生体重リスクの低減に関連することが、米ハーバード大学公衆衛生学部(ボストン)のBatool
Haider氏らの分析でわかり、発表されました。
合計200万人近くの妊婦を対象とした研究90件以上を検討した結果、1日1回の鉄サプリメント摂取で妊娠中の女性の貧血リスクが低減することが判明しました。
また、妊娠第1または第2トリメスター(三半期)に貧血があれば、低出生体重や早産のリスクが有意に高まりました。
1日あたりの鉄の用量が10mg増加すると、貧血リスクが12%低下し、出生体重は15g増加し、低出生体重のリスクは3%低下しました。。
世界保健機関(WHO)では、妊婦に1日60mgの鉄の摂取を推奨しています。
また、鉄欠乏は世界で最も多い栄養欠乏症で、特に低〜中所得の国では妊娠中の貧血が最も一般的な原因であるそうです。
鉄欠乏は、世界で3,200万人(2011年)の妊婦にみられると推定されています。
Haider氏らは、「今回の研究結果は、妊娠中の女性の鉄使用は母体の状態および出生体重を改善するための予防策として使用できることを示唆している」と述べています。
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