速歩きは、ランニング同様に血圧、コレステロール、糖尿病リスクの軽減に効果的であることが新たな研究で示され、研究論文が発表されました。
研究著者であるローレンス・バークレー国立研究所(カリフォルニア州)のPaul Williams氏によると、重要な事はどれだけの時間を費やしたかではなく、どれだけの距離を歩いたり走ったりしたかであり、「歩行も走行もリスクファクター(危険因子)を軽減し、同じ量のエネルギーを消費すれば、同じだけの効果を得ることができる」と述べており、歩けば歩くほど、走れば走るほど、健康が向上するとしています。
この知見は、「運動の選択の幅が広がった」ことを示すものであり、ランニングのほうが簡便だと思う人もいれば、ウォーキングを好む人もいます。
ランニングの利点は、ウォーキングと同じ時間で2倍の距離を稼げる点で、速歩きについては「ぶらぶら歩きではなく、まさに運動としてのウォーキングである」とPaul
Williams氏は説明しています。
Paul Williams氏らは、18〜80歳(ほとんどが40代、50代)の米国民ランナー健康調査と米国民ウォーカー健康調査のデータ(ランニング3万3,000人強、ウォーキング約1万6,000人)を収集しました。
その結果、6年間にわたってランニング、ウォーキングともに高血圧、高コレステロール、糖尿病リスクの軽減効果が認められました。
● 高血圧リスク:ランニングで4.2%軽減、ウォーキングで7.2%軽減
● 高コレステロールリスク:ランニングで4.3%軽減、ウォーキングで7%軽減
● 糖尿病リスク:ランニングで12.1%軽減、ウォーキングで12.3%軽減
● 心疾患リスク:ランニングで4.5%軽減、ウォーキングで9.3%軽減
米国心臓協会(AHA)のGregg Fonarow氏は、定期的な運動が心血管の健康を保ち、心血管イベント、脳卒中、若年死リスクを軽減するという考えは定着しており、 米国心臓協会(AHA)やその他の機関は、心疾患と脳卒中の一次・二次予防のための定期的な運動を強く推奨していると指摘しています。
また、「今回の知見は、運動の強度に関わらず、同等のエネルギー消費で同等の効果が得られることが示された。しかし、より激しい運動ができるなら、そのほうが時間効率的にはよい」と述べています。
|