週に3カップ以上のブルーベリーやイチゴを食べると、女性の心筋梗塞(心臓発作)リスクが低下することが、英イースト・アングリア大学(ノリッジ)のAedin
Cassidy氏らの大規模研究でわかり、発表されました。
この研究は、「看護師健康調査U(Nurses’ Health Study UI)」に参加した、若年から中年の女性、約9万4,000人が対象とされました。
被験者は、食事に関する質問票に4年毎に18年間にわたり記入されました。
試験期間中、405人が心筋梗塞を発症しましたが、ブルーベリーおよびイチゴを最も多く食べていたグループ(週3カップ以上)では、月に1カップ以下しか食べていなかったグループに比べ、心筋梗塞のリスクが32%低かったとの事です。
他の果物や野菜類を多く摂取していた女性でも結果は変わらず、加齢、高血圧、心筋梗塞の家族歴、ボディ・マス・インデックス(BMII)、運動、喫煙、カフェインやアルコールの摂取など、他の心筋梗塞のリスクファクター(危険因子)とは独立した効果が認められました。
今回の研究からは、直接的な因果関係は明らかにされていませんが、ブルーベリーやイチゴには動脈を拡張させる物質が豊富に含まれ、それにより心筋梗塞の原因となるプラークの蓄積に対抗できる可能性があると考えられます。
Cassidy氏によると、「フラボノイドの一種でアントシアニンと呼ばれるこの物質は、サクランボ、ブドウ、ナス、クロスグリ(ブラックカラント、カシス)、スモモ(プラム)やその他のベリー類など、赤色や青色の果物に多く含まれています。今回は女性のみを対象としたが、男性も同様の恩恵を受けられる可能性が高いのではないか」と、同氏は述べています。
米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク)のSuzanne Steinbaum氏は、「長期にわたって女性を追跡した大規模な研究であり、非常に説得力のある知見だ」と述べており、男女ともにベリー類を食事に取り入れ、日頃摂取する野菜や果物の一部とするよう勧めています。
ボストンの栄養士Dana Greene氏によると、ベリー類にはほかにもビタミンC、カリウム、葉酸などの栄養素が豊富に含まれており、満腹感を早く感じられるため減量や体重維持にも有用だと述べています。
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