メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)への予防作用が期待される長寿ホルモン「アディポネクチン」の血中濃度を、健康診断での測定項目に入れる動きが出ています。
メタボリックシンドロームの元凶と考えられている内臓脂肪は、体内に蓄積されている量が分かりづらい面があります。
しかし、「アディポネクチン」の濃度を数値化することによって、生活習慣病のリスクの指標として認識しやすくなるとの事です。
「アディポネクチン」は血管保護の作用があり、脂肪細胞から正常に分泌されていると、動脈硬化などの抑制に効果が期待できますが、食べ過ぎや運動不足で内臓脂肪が蓄積されると、分泌量が減るという特徴があります。
また、「アディポネクチ」ンを増やす作用があると指摘されている食材は、大豆やEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含むサバなどの青魚が推奨されています。
大豆については、マウスの実験でアディポネクチンの血中濃度が上昇したと、阪大グループが論文で発表している。
「アディポネクチン」を平成7年にヒトから日本人医師が発見しました。
発見した医師は、「アディポネクチンの数値が低いと生活習慣病のリスクが高まります。これまで、内臓脂肪を具体的にどこまで減らしたらいいかという部分があいまいだったが、「アディポネクチン」の数値が上がるまで内臓脂肪を減らしましょう」と、具体的なアドバイスが可能になったという。
検査は、採血のみで、血液検査で1ミリリットル中、4マイクログラム以下の人を「低アディポネクチン血症」と判定し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる「要注意」と位置付けている。
また、日本人医師が院長を務める病院では、「アディポネクチン」濃度と血圧との関係について分析を進める一方で、阪大グループとの共同研究により脂肪肝の人の濃度が低くなることを突き止めた。
同病院では単独での検査を行っておらず、あくまで健診の中の一項目としている。この測定によって、メタボや生活習慣病に関連するデータが浮き彫りになることから、今後の研究成果に注目が集まっています。
< 引用元 産経新聞 2012.12.4付 >
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