厚生労働省研究班(主任研究者 津金昌一郎氏)が、全国の45〜74歳の男女約8万7000人を対象に11年間にわたって追跡調査をした。
マグネシウムの摂取量によって、グループを5群に分け、大腸がんのリスクの違いを分析。
追跡期間中に、男性689人、女性440人の合計1,129人が大腸癌の診断をされた。
男性では、マグネシウムの摂取量が多いほど、大腸がんのリスクが低減する傾向が見られ、特に結腸がんで顕著になった。
また、飲酒と肥満(BMI値)に腸目視、大腸がんとの関連性も分析。
その結果、飲酒習慣のある人、BMI値が25未満の痩せ気味の方について、マグネシウム摂取による予防効果がより明確になる事がわかった。
一方、女性では、大腸がんとマグネシウム摂取による関連性は、認められなかった。
その理由として、
1、大腸がんに関連する要因の男女差
2、性ホルモンの影響
3、飲酒習慣の差
が挙げられた。
また、マグネシウムがインスリン抵抗性を改善することによって、大腸がん予防につながっている可能性があるが、女性の場合、インスリン抵抗性が大腸がんの発生メカニズムに深く関与していないことも影響していると推測される。
今回の研究結果は、予防効果が男性に限られたために、「積極的にマグネシウムを単独で摂る事を推奨するものではない」としている。
また、大腸がんの発生と関連する食事として、赤肉・保存肉が国際的にも確実視されていると指摘している。
反対に、予防効果が期待される食品に、食物繊維を含む食品や、ニンニク、牛乳、カルシウムを挙げ、大腸がんのリスク要因が複数あることから、予防効果が期待される食品を幅広く摂る事や、適度な飲酒習慣と、運動習慣が望ましいとしている。
引用元:健康産業新聞(2010年3月24日 第1335号)
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