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[2008.05.08]

健康プラス 笑いの効用@ 免疫細胞を活性化



 最近、思い切り笑ってますか? 「笑う門には福来たる」の言葉通り、笑いはストレス解消や健康維持、病気からの回復などに役立つ可能性が高いことが、近年の研究で分かってきた。

 国内初の笑いの本格的研究として知られるのが、すばるクリニック(岡山県倉敷市)の院長、伊丹仁朗さん(心療内科)が1991年に行った実験だ。大阪市のなんばグランド花月で、健康な11人と、がんや膠原病の患者8人に漫才などで笑ってもらい、その前後の血液を調べた。

 すると、測定不能の1人を除く18人中14人で、免疫力に関係するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働き(活性)が高まった。特に、実験前にNK細胞の活性が平均以下だった人は、全員上昇した。

 また、免疫のバランスを示す物質の比率では、値が高すぎる人は下降し、低すぎる人は上昇するなど、好ましい平均値に近づく傾向が見られた。筑波大学で行われた笑いの実験でも、免疫細胞であるリンパ球などの働きが正常値に近づく傾向が確認された。

 私たちの体内では、侵入した細菌やウィルスと、免疫細胞が戦っている。伊丹さんは「映画のスター・ウォーズのような激闘が、体内で毎日繰り返されている」と話す。

 免疫細胞同士が連携し、外敵を討つ。だが、体内の細胞の中には悪に寝返るものがいる。がん細胞だ。健康な人の体内でも、1日数千個のがん細胞が生まれているとされ、免疫細胞がこれを早期に見つけて退治している。

 笑いでなぜ免疫力が高まるのか。詳しい研究はこれからだが、伊丹さんは「笑いで刺激された脳から出る神経伝達物質が、免疫細胞を活性化させるのでは」とみている。

読売新聞 2008年4月30日

 
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