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情報さがしに10カ条 国立がんセンター公表
自分や家族ががんになったときに、治療法や相談先などの情報は、どこで得られ、何に注意して活用すればいいのか―。そのポイントをまとめた「がん情報さがしの10カ条」を、国立がんセンターがん対策情報センターが公表した。
作ったのは、特定非営利活動法人(NPO法人)グループ・ネクサスの天野慎介理事長、東京大の埴岡健一・特任准教授、がん対策情報センターの若尾文彦センター長補佐の3人で、11月3日にがんセンターで開いた市民向け講演会で留意点を説明した。
「知りたい情報と知っておくべき情報がある」と言うのは埴岡氏。知っておくべきものの一つが標準的な治療法で、自ら悪性リンパ腫で骨髄移植を受けた天野氏は、医師任せではなく「自分が納得した治療を受けること」とアドバイスする。
その意味で、別の医師の意見を聞くセカンドオピニオンも重要だ。「医師はすべての治療法に精通しているわけではない。自分の得意な治療法を薦めることもある。治療方針を決める前に聞くこと」と埴岡氏は言う。
進歩する医療の最新情報を得るのに便利なのはインターネット。ただ、ネットには情報があふれており、信頼できるかどうか見抜く目が必要となる。若尾氏は「都合のいいことばかり書いていたり、特定の療法や体験談だけを載せていたりするサイトは、疑ってみて」と注意を呼び掛ける。
ネットが使えない場合は、全国に286あるがん診療連携拠点病院の相談支援センターや、患者団体の窓口も役立つ。どこが拠点病院なのかは、市町村や保健所に聞けば分かる。
情報センターは昨年10月に発足。ホームページ(http://ganjoho.go.jp/)でさまざまな情報を提供しており、「10カ条」や講演会の内容も順次掲載する予定という。
国立がんセンターが公表した「がん情報さがしの10カ条」(抜粋)
1.情報が療養を左右することがある。活用しよう。
2.いま必要な情報は何か考えよう。
3.主治医とよく話してみよう。
4.セカンドオピニオンを活用しよう。
5.医師以外の医療スタッフも活用しよう。
6.がん診療連携拠点病院の相談支援センターなどの窓口を活用しよう。
7.インターネットを活用しよう。
8.入手した情報が本当に正しいか考えてみよう。
9.健康食品や補完代替医療の広告には注意しよう。
10.得られた情報を判断する前に、周囲の意見を聞こう。
奈良新聞 2007年12月7日
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