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[2007.12.06]

インフルエンザ マスクの効用を見直してみては



 早くもインフルエンザが流行し始めた。時期としては、過去20年で最も早い。体調管理に気を配り、冬を乗り切ろう。

 厚生労働省が、患者の発生状況を調査して発表した。
 約4700医療機関が国立感染症研究所に報告している患者数は、先月25日までの1週間で7162人にのぼる。1医療機関当たり1.53人で、流行の基準となる1.0人を超えた。
 年初から47週目の流行だ。例年より数週間早い。北海道を中心に、関東、関西などで増え続けている。患者は5〜9歳が圧倒的に多い。学級閉鎖も、先月末ですでに300校を突破した。
 今冬は急に冷え込んだうえに、空気が乾燥した日も多い。ウィルスが広まりやすい気象条件が続いている。

 専門家は、流行しているウィルスの種類が「Aソ連型」であることにも着目している。この型は、ここ5、6年、国内で流行例がない。患者の大多数を占める小さな子供たちは、免疫がない。
 インフルエンザは毎年1000万人前後の患者が発生する。死者も、高齢者や乳幼児を中心に1万人以上にのぼる。決して、侮れない病気だ。
 うがいや手洗いは感染を防ぐための基本となる。予防接種も、感染を防いだり症状を軽減したりすることができる。
 インフルエンザは例年1〜3月に流行のピークが来る。しかも年末年始は、大人から子供まで行動範囲が広がり、感染機会も増える。油断はできない。

 感染予防だけでなく、感染した際、それを広げないことも大事だ。
 インフルエンザは、患者の咳でウィルスがまき散らされて広がる。ウィルスが飛び散る速度は時速100キロ・メートル以上に達する。最大の感染ルートである飛沫感染を防げば、流行は抑え込める。

 マスクはそれに効果を発揮する。風邪をひくと半数がマスクを着けるという調査もあるが、もっと拡大したい。
 特に患者は、症状が軽いと通常の生活を続けながら咳をするので感染源となりやすい。患者1人が平均で2〜3人に感染を広げているとの試算もある。

 新型インフルエンザ出現が心配されている。患者の隔離は完全にできず、マスクが最後の砦と、備蓄を唱える感染症専門家もいる。費用は数億円という。
 厚労省は、今年のインフルエンザ総合対策で<ひろげるなインフルエンザ ひろげよう咳エチケット>を標語に掲げている。「咳をしている人にマスクの着用を促す」ことなどを呼びかけている。

 咳で感染を広げない。そういう心がけが、もっと根付くといい。

読売新聞 2007年12月6日社説

 
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