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[2007.07.19]

日本は検診多すぎ?!
放射線蓄積で発がんも


日本は検診多すぎ?! 医療機器保有も検査数も世界一
放射線蓄積で発ガンも 英国報告で賛否両論

 人類すべてが、がんの恐怖と向き合っている時代。定期的な検診を受ける人が増え、おかげで早期発見、命拾い、という実話も数多い。だが一方では検査のたびの放射線被ばく量の累積が発がん原因になりうる、日本は安易の検査をやりすぎている、との異論が近年とみに聞かれるようになってきている。医療機関や自治体の住民健康施策に頼るしかない一般人は、いったいどうすればいいのか。

適切な受診回数考えて

 「日本のがん患者は3.2%が検診で浴びたX線によると考えられる」―2004年に英国の医学誌に掲載されたこの報告は、世界的な賛否両論をまき起こした。

 その翌年4月から、厚生労働省は結核予防法によって国民に年1回行っていたX線検査の義務付けを廃止した。結核の減少などで検査による患者発見は受診者1万人に1人未満となり、被ばく累積による発がんが数万回から10万回の受診に1人、出る可能性があるとの推計が背景になったとされる。

 また同省は、職場の定期健康診断での胸部X線検査の義務廃止も同年7月から検討を始めた。民間団体が制作し検診ごとに被ばく線量も含めたデータを記入する「医療被ばく記録手帳」も一部に出回っているという。

 こうした話は、国連科学委が世界15カ国の人口1千万人当たり年間X線検査件数(2000年)を発表。日本がダントツ1位の1477件、2位ドイツも1254件だが、他は3位米国の962件以下すべて少なく、英国は489件だったのに端を発する。

 何しろCT機器の保有台数も日本は人口100万人当たり64台。米国26台、英国6台に比べるとまさに“検診大国”といわれても当然だ。

 では、そこまで群を抜いて検診機器が多いのは医療機関の“商売”のせい、といってしまうのは正しくない。ある自治体がん検診センターによると、検診を受けず腹痛など症状が出てから胃がんと判明した人の5年生存率は46%。しかし検診で早期発見された患者の同生存率は71%だ。

 また女性の乳がんはマンモグラフィー検診の普及により、早期の段階で発見される患者が世界的に増加。ために人口10万人当たりの乳がん死亡率は、ここ10数年間に20-30%下がったとの報告も。

 やはり適切な検診はあった方がいい。ただし気になるなら無制限に受けることは考え直すべきなのだろう。

奈良新聞 2007年7月18日

 
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