健康食品製造のアミノアップ化学(札幌、小砂憲一社長)が開発したポリフェノールの一種「オリゴノール」について、同社と杏林大学(東京)の研究グループが、メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)につながる脂肪細胞の蓄積を抑制する効果を確認した。研究グループは、25日から大阪市で開かれる日本衛生学会でマウスを使った実証実験の研究結果を発表する。
オリゴノールは同社が長崎大学と共同開発した技術により、果物のライチから抽出した。高分子で消化しにくい性質を持つポリフェノールを低分子化して体内への吸収効率を高めたのが特長で、動脈硬化、心疾患、老化などを防止するためのサプリメントとしてすでに商品化されている。
メタボリック症候群は、体内に内臓脂肪が100平方センチメートル以上あるかどうかが判断基準の一つ。こうした脂肪の蓄積は細胞内の活性酸素がアディポサイトカイン遺伝子を「悪玉化」することによってもたらされるとされる。
そこで実験では、マウスに通常食、高脂肪食をそれぞれ与え、活性酸素の変化を調べた。その結果、高脂肪食を与えたマウスの活性酸素量は、通常食を与えたマウスの約3倍増となり、活性酸素と脂肪蓄積の関連性が示された。
その上で、高脂肪食にオリゴノールを投与したマウスと、高脂肪食だけを与えたマウスの活性酸素量を比較したところ、オリゴノールを投与したマウスの活性酸素量が30%以上少ないことが分かった。
研究グループはこれらの実験結果から、オリゴノールに、脂肪の蓄積を防ぐ抗酸化作用の効果があり、アディポサイトカイン遺伝子の悪玉化を抑制する効果があると結論づけた。アミノアップ化学によると、ポリフェノールの抗酸化作用の仕組みが本格検証されるのはこれが初めてという。
北海道新聞 2007年3月24日
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