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[2007.01.12]

ピロリ除菌後受診率低下 胃がん発見の遅れも


 胃かいようなどの患者で、病気の原因となるピロリ菌の除菌治療をした人はしなかった人に比べ、一年ごとの定期検査を受ける割合が最大約15%減少し、かえって胃がんの発見が遅れる危険性もあることが十日までに、山形県立中央病院など県内の医療機関の共同調査で判明した。

 除菌治療を受けることで、患者が「胃の病気から開放された」と自己診断し、病院に行かなくなるケースが多いらしい。  ピロリ菌は胃に生息する細菌。主に五歳ぐらいまでに感染する。
 胃かいようや十二指腸かいようの治療では除菌の効果は極めて高い。
 除菌で胃がんの予防も期待されていて、今回の調査では「除菌すると発症が三分の一に減少」という結果が出た。

 今回の調査は同病院を中心に県内の八十三の医療機関が協力して実施。二〇〇〇年からの約三年間に胃かいようや十二指腸かいようの患者約四千二百人が登録、現在もピロリ菌の除菌と胃がん発生率の関係などを継続して調べている。
 これまでの調査で、〇二年に内視鏡による定期検査を受けた人の割合は除菌治療した人が35%、しなかった人が51%だった。〇三−〇五年も検査を受けた人の割合は除菌治療した人の方が約10%低かったという。

 調査の中心メンバーで同病院内科の間部克裕副部長は「胃がんの発症を抑えるのにピロリ菌の除菌は有効だが万能ではない。油断せず年一回は検査を受けてほしい」と呼び掛けている。

奈良新聞 2007年1月11日

 
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