岐阜県生物工学研究所などの研究グループが3日までに、成熟する前の青柿に血中コレステロールを抑制する効果があることを動物実験で発見した。高脂血症などの改善への活用が期待できるほか、成熟する前に間引くため捨てるしかなかった青柿の実の有効利用が可能になるという。
研究グループが、高カロリーの餌に未成熟の柿の粉末を10%混ぜたものをマウスに与え、14週間後に柿の粉末を混ぜない高カロリー餌を与えたマウスと血液を比較したところ、血中のコレステロールが約23%少なかった。
同グループは、青柿を与えたマウスの肝臓でコレステロールが分解されてできる「胆汁酸」の合成が活発化していることから、血中のコレステロールが取り込まれ、血中量が低下したと分析している。
青柿は実の状態だと渋くて食べられないため、粉末化した。甘柿と渋柿の2種類で試したところ、どちらも同様の効果が得られたという。県は「特定保健用食品や薬品への実用化を目指したい」と話している。
奈良新聞 2006年12月4日
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