低炭水化物ダイエットの安全性を検証した大規模な調査結果が、11月の米医学専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された。
調査は約8万人の女性を対象に、20年間にわたって実施した食物頻度アンケートを集計したもの。米ハーバード大学公衆衛生科の研究者らのチームが分析した。
研究チームでは、炭水化物・脂肪・タンパク質の摂取量をもとに「低炭水化物食事スコア」を算出し、冠状動脈性心疾患の発病率との関連を調べた。調査対象期間に、新たに冠状動脈性心疾患を発病した人は約9,000人。
分析の結果、低炭水化物(炭水化物が少なく、タンパク質・脂肪が多い食事)は、冠状動脈性心疾患の発生リスク増加に影響しないことがわかった。さらに、植物性の脂肪・タンパク質を多く摂取していたグループは、発生リスクがわずかに減少したことが確認された。
研究チームによると、低炭水化物ダイエットの安全性を体系的に調べた調査はこれまで少なく、低炭水化物・高脂肪の食事が冠状動脈性心疾患を増加させるとの指摘もあった。今回の調査で、低炭水化物ダイエットと冠状動脈性心疾患は無関係であることが示された、としている。
健康産業新聞 2006年11月22日号
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